AI画像は販売しても大丈夫?【2025年版】日本の著作権・商用利用ルール完全ガイド

【PR】本記事には広告・プロモーションが含まれます。 公的情報を踏まえ、販売実務で役立つチェックリストとテンプレを提示します。
目次
序章|AI画像販売の疑問と“合法/グレー”の境界線
「AIで作った画像を販売しても違反にならない?」──2025年の今も、答えはケースバイケースです。鍵になるのは、①人間の創作的関与(著作物性)、②利用ツールの商用可否(利用規約)、③既存作品への依拠・類似性(侵害リスク)の3点。どれか1つでも見落とすと、出品停止やクレーム、最悪は法的トラブルに発展します。
まずは基礎体力をつけましょう。画像生成の流れや品質向上のコツは、当サイトの解説がまとまっています:
本記事は、上記の3ポイントをベースに「販売OK/NGの見極め方」を体系化。章が進むほど、具体的なチェックリスト・テンプレ・販売ページの表記例まで落とし込み、初学者でも迷わず実装できるように構成します。
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第1章|AIで作った画像の「著作権」は誰のもの?
AIの普及により、誰でも数秒で“それっぽい”ビジュアルを作れる時代になりました。ここで最初に直面するのが「この画像の著作権は誰にあるの?」という疑問です。結論だけ先に言えば、AIが自動生成した画像は原則として著作権が発生しません。ただし、人間の創作的関与が一定以上あれば、著作物として保護される余地が出てきます。本章では、この境界を実務目線で分解します。
なぜ“AIだけで作った画像”は著作権がないのか
日本の著作権法が保護するのは「思想または感情を創作的に表現」したもの──つまり人間の表現です。AIはツールであり、AI自身に“意思”はありません。ゆえに、完全自動生成の結果だけでは、人間の創作性が認められにくいのが基本線です。
「人間の創作的関与」があるとどう変わる?
ポイントは、AIを“道具”として使い、最終結果に人間の判断がどこまで表れているかです。例えば次の工程はプラス評価になりやすい要素です。
- プロンプトで具体的な表現意図(構図・光源・質感・色彩・レンズ・スタイル等)を与えている
- 多数生成からの取捨選択や、別画像との合成・レタッチ・再構成を行っている
- シリーズ全体で統一コンセプト(世界観・物語・メッセージ)を設計し、個々の画像を位置づけている
このような具体化された意図→実装→最終判断のプロセスは、人間の創作性を裏づける材料になります。
プロンプトは「指示」ではなく“設計”
「猫の画像を作って」よりも、「白い毛並みの子猫が木漏れ日の中で丸く眠る。35mm相当、浅い被写界深度、柔らかい逆光、フィルム粒子表現」まで落とし込む。ここまで来ると結果に対する支配的な関与が見えやすくなります。プロンプトは単なる命令文ではなく、作品の設計図です。
指示力を体系的に鍛えたい方は、当サイトの内部解説が役立ちます:
「AI+人間」は共同著作?──実務上の見立て
現行法にAIとの“共同著作”という明文はありません。ただ、AIをツールとして用い、人間が表現意図に基づく編集・統合・最終選択を行った場合、そのアウトプットを人間の著作物として評価し得るのが実務的な落としどころです。逆に、完全オートの一発出しは著作物性の主張が弱くなります。
販売OKかNGかは「規約」も決める
見落としやすいのが利用規約(ライセンス)。法的な著作物性とは別次元で、ツール側や販売プラットフォーム側の“商用利用可否”があなたの行動範囲を決めます。法律的に問題なくても、規約違反なら出品停止やアカウント制限の対象です。
最低限、生成ツールの商用可否・クレジット要求・禁止用途/販売先のAI作品ルールをダブルチェックしましょう。
トラブルを避けるための実務チェック(保存版)
- 制作ログを残す:使用ツール・モデル・プロンプト・シード・編集工程を記録しておく
- 類似性テスト:既存作品に似すぎていないかを出品前に目視&検索で確認
- ページ表記:商品説明に「AI生成作品」である旨/使用ツール/著作権とライセンスの扱いを明記
- 規約順守:ツール規約・販売先ルールの最新版を確認(スクショ保存)
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第2章|日本法の現在地:著作物性・依拠性・権利制限
「AIで作った画像を売っていいの?」を日本法の条文と公的資料の観点から整理します。キーワードは著作物性(人の創作性があるか)、依拠性(既存作品に基づいたか)、そして権利制限(例外的に許される利用)の3つです。
1) 著作物性:人間の創作的表現があるか
著作権法は「思想又は感情を創作的に表現したもの」を著作物と定義します。ここでいう「思想・感情」は人間のものです。したがって、AIが自動的に生成しただけの画像は、原則として著作物に当たりません。
- ただし、人間が創作的に関与(詳細な指示、編集・合成、構成の決定 等)して最終結果に表現上の工夫が現れている場合、人間の著作物と評価され得るのが実務的な整理です。
- 一方で、単に「長い指示文」を書いただけ、アイデアの列挙にとどまる場合は創作的寄与と評価されにくい点に注意。
2) 依拠性・類似性:既存作品との関係をどう見る?
AI生成物が既存の著作物に似ているだけでは直ちに侵害とは限りません。一般に、侵害が問題となる場面では「依拠性(アクセス)」と「類似性」の両方が検討されます。
- 依拠性:既存作品を参照・模倣したことがうかがえるか。
- 類似性:既存作品の表現上の本質的特徴が直接感得できるほど似ているか。
例えば「作風(スタイル)」自体は一般にアイデア側面のため保護対象外とされますが、具体的な表現の組合せが既存作品の本質的特徴を捉えるほど重なると、侵害リスクが高まります。
3) 権利制限:例外的に許される利用
日本法には、特定の目的で著作権者の許諾なく使える権利制限(例外)があります。たとえば私的使用のための複製など。ただし、販売(公衆への提供)はこれらの例外に該当しにくく、通常は許諾や適法性の検討が必要です。
実務チェックリスト(保存版)
- 制作ログを保存:使用モデル、詳細プロンプト、編集工程、出力の選定理由を残す。
- 類似性の自己点検:出品前に「見比べ」+名称検索。キャラ等は具体表現が重ならないように。
- ツール規約と販売先ルール:商用可否、クレジット義務、AI作品表示義務の最新版を確認・スクショ保存。
- ページ表記:「AI生成作品」である旨/加工の有無/ライセンスと禁止事項を明示。
生成に使うツール選びは適法性にも直結します。最新傾向と使い勝手は、当サイトのまとめが参考になります:
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第3章|海外動向:米国の人間著作者要件とEUの議論
AI画像の販売を「越境」させるとき、まず押さえておきたいのが米国の人間著作者性(human authorship)と、EUの検討状況です。日本と同様、「AIが自律生成した結果そのもの」には著作権が認められにくいという大筋は共通していますが、各地域の実務ガイドや判例・調査レポートを踏まえると、実装上のツボが見えてきます。
米国:人間がどこまで「表現を決定」できたか
米国では、著作物保護の前提として人間の著作者性が明確に重視されています。行政の実務ガイドラインは、AIを補助ツールとして人が十分に創作的選択・配列・編集を行い、最終的な表現を人が決めている場合に保護可能性がある、と整理しています。逆に、単にプロンプトを投入しただけでは保護が難しいという立場です。
また、登録実務レベルではAI生成部分の申告・ディスクレーム(人間の著作部分とAI部分の切り分け)を要求される運用が浸透しています。作品全体がAI依存で人の関与が限定的なら、登録は認められません。
さらに、2025年の控訴審判断では「人間の関与のない純AI生成物」に対する著作権保護が明確に否定され、行政の運用と足並みがそろいました。実務的には、人の創作的コントロールを可視化する記録(プロンプト、編集工程、選択理由など)が、米国での主張に直結します。
EU:制度検討と実務指針のキャッチアップ
EUでは、各国の裁判例が積み上がる過程にあり、知財機関のレポートがEU法の観点からの論点整理を進めています。現状の実務的含意としては:
- 人間の創作的関与の可視化はEU圏でも重要(編集・選択・配列・統合の痕跡)。
- 学習段階の権利処理(テキスト・データ・マイニング例外など)と、出力の類似性は区別して論じられる。
- 越境販売では、各プラットフォームのAIポリシー(表示義務・禁止用途)と、各国の肖像・パブリシティ・商標にも留意。
越境販売の実装Tips(米/EU共通の安全策)
- 制作ログの英語化:プロンプト・モデル・シード・ステップ数・編集内容・選択理由を英語で併記し、human control を明示。
- ディスクレーム運用:商品ページで「AI-assisted」「human-edited」「composed by…」など、人間の創作関与を具体的に書く。
- 類似性スクリーニング:スタイルはOKでも、キャラクター固有表現・構図の独自性が重なると危険。比較画像は保存。
- 素材・フォント・テクスチャ:二次ライセンス条項(no resell 等)に抵触していないか確認。
- 販売先ごとのAI方針に追従:「AI生成物の明示」「モデル名/バージョン」「生成・加工比率」などの記載要件を遵守。
ケースで考える:どこまでが“人間の作品”か
OK寄りの例:多数の出力から厳選→合成→色調・質感を段階的に統一→シリーズ全体の物語性を構成。
NG寄りの例:単一プロンプト→無編集でそのまま販売。訴求文は抽象的、制作ログも未保存。
国・地域が違っても、可視化された人のクリエイティブ判断が“線”を引く実務は共通です。越境販売では、英語の制作ノートを商品ページに併設しておくと購入者・プラットフォーム双方の安心感が高まります。
海外での展開を見据えて、作品群の見せ方や販売ルートの組み立ては早めに固めておきましょう。マネタイズ動線の作り方は次の記事が詳しいです:
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📘 参考(外部)
第4章|販売トラブル実例とプラットフォーム規約の落とし穴
法的にクリアでも、規約違反でストアが止まる――AI画像の販売はこの落とし穴に要注意です。
ここでは実務でよくあるNGパターンと、未然防止のチェック手順をまとめます。
よくあるNGパターン5選
- 既存作品の「本質的特徴」に似すぎ:スタイル模倣はOKでも、キャラクター固有の衣装・構図・意匠が重なると危険。出力の選別で回避を。
- 人物の権利(肖像・パブリシティ)を失念:有名人風や実在人物の特徴を強く想起させる表現はクレーム対象になりやすい。
- 商標・ロゴ・ブランド要素を含めたまま:商品パッケージ風、車種エンブレム等の再現は削除・差し替えで回避。
- 素材ライセンス違反:テクスチャ・フォント・3Dアセットの二次配布NG条項を見落としがち。二次販売可否を必ず確認。
- プラットフォームの「表示義務」未遵守:AI生成である旨、モデル名や編集有無の明記不足は非公開化/アカウント制限のリスク。
販売停止を避ける7つの実務チェック
- 制作ログを残す:モデル(例:SDXL系/Firefly等)、プロンプト、シード、ステップ数、編集工程、採用理由を記録。
- 類似性スクリーニング:出品前に画像検索・既存IPとの目視比較。似た要素は再生成またはレタッチ。
- 権利が曖昧な要素の除去:ロゴ・ラベル・キャラ固有意匠は別レイヤーで管理し、最終出力からカット。
- ページ表記の統一テンプレ:「AI-assisted / human-edited」「使用モデル」「編集有無」「禁止用途」を定型で。
- プラットフォーム規約の定期点検:AI作品の表示義務・審査強化の告知をスクショ保存(更新日をメモ)。
- 販売先ごとのR18/準拠ルール確認:写真と見紛う描写やセンシティブ表現はサイト基準が厳しめ。該当時は出品不可に。
- 連続大量出品の抑制:依拠性が疑われるテーマで量産すると監視対象になりやすい。テーマ分散と品質重視で。
トラブルの火消しテンプレ(コピペOK)
件名:出品非公開化に関する異議申立て/制作記録の提出
本文:
平素よりお世話になっております。○○(ショップ名)の△△と申します。
当該商品(商品ID:XXXXX)の非公開化について、制作記録を添付し適法性をご説明申し上げます。
・使用ツール/モデル:例)Stable Diffusion XL 1.0(ローカル)
・生成プロンプト/シード:記載(抜粋可)
・編集工程:色調整/合成/構図変更 等の具体内容
・類似性検証:参考URL/比較キャプチャ(第三者著作物の本質的特徴を含まない旨)
AI生成である旨は商品ページにも明記済みです。再審査をご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
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📘 参考(外部)
第5章|安全に販売するための実務チェックリスト
AI画像の販売は、法令・ツール規約・販売先ルールの3点セットを満たしてはじめて“安全”と言えます。ここでは、出品前→公開→運用の順に、実務で使える確認手順をテンプレート化しました。各項目をなぞるだけで、主要な落とし穴(依拠性、表示義務、素材ライセンス、人物権、商標等)を回避できます。
Step 1:制作前の設計
- テーマの分散:同一テーマの連続量産は監視の対象になりやすい。シリーズ化はOKだが、構図・衣装・背景モチーフを微調整して重複を避ける。
- 素材の原産地管理:フォント・テクスチャ・3Dアセットは商用可/二次配布可否を台帳化。no resell 条項は配布不可。
- プラットフォーム適合性:出品先のAIポリシー(AI表示義務、人物・R18、商標の扱い)を事前に確認・スクショ保存。
Step 2:生成・編集の証跡を残す(制作ログ)
- モデル情報:例)SDXL 1.0 / Firefly vX / MJ vY(ローカル or クラウド)。
- プロンプト/ネガティブ:意図(構図・光源・レンズ・スタイル)を明記。seed と steps も。
- 選別理由:候補A〜Dの中で採用した決め手(表情、衣装シルエット、背景統一感)。
- 編集工程:合成/レタッチ/色彩設計/写実度調整。使用ソフトと具体操作。
Step 3:法務・権利チェック
- 依拠性×類似性:既存作品の本質的特徴に触れていないか。名称検索+目視で比較(比較キャプチャ保存)。
- 人物権:実在人物や有名人を想起させる特徴が強い場合は避ける。顔データは匿名化。
- 商標/ブランド要素:ロゴ、車種エンブレム、パッケージ風デザインは除去。
- ツール規約:商用可否、クレジット義務、禁止用途(政治・医療・素材再配布)。
Step 4:販売ページの表示テンプレ(コピペOK)
【作品の性質】AI-assisted(人が企画・プロンプト設計・編集)
【使用モデル】例:Stable Diffusion XL 1.0(ローカル)
【編集】色調整/合成/構図変更 等
【禁止事項】ロゴ等の追加入れ替え/再配布・二次販売/商標・著名人の利用
【注意】本商品はAI生成を含みます。実在人物・団体とは関係ありません。
Step 5:公開直前の最終チェック
- 重複出品の回避:同一シリーズはサムネ・説明文・タグに差異を付ける。
- 解像度・権利表示:長辺とppi、AI生成表示、使用モデル名、編集の有無。
- 規約更新の確認:販売先の最新ガイドを当日確認(更新日・URLをメモ)。
Step 6:公開後の運用(疑義対応)
- 問い合わせテンプレ:非公開化や指摘時に提出する制作ログ一式を即時出せる状態に。
- 類似報告の受理:誠実に比較・再生成か編集で差異化。応答は48h以内を目安に。
- 品質最適化:クレーム解析→プロンプトの否定語/スタイル重みを調整。
ミニ監査(7項目)
- 生成〜選別〜編集の人の判断が可視化されている
- 素材ライセンスは二次配布NGを含めて台帳管理
- 人物・商標・ブランド要素は削除または置換
- 販売先のAI表示義務に準拠(モデル名・編集有無)
- 商品説明は再利用・再配布禁止を明示
- 規約・条文の最新版URLと確認日を記録
- 疑義発生時のエスカレーション手順を定義
販売ページのタイトル・説明文・見出し設計は流入を左右します。AI時代のSEOの要点は、次の記事がまとまっています:
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第6章|商用OKな生成AIツールの選び方(規約比較)
「AIで作った画像は売っていいの?」という疑問は、法律だけでなくツールの利用規約(ライセンス)にも左右されます。ここでは、商用利用を前提にツールを選ぶときのチェック観点と、読み落としやすい条項を実務目線で整理します。
1) ツール選定のフレーム:Use Case × Rights × Output
- Use Case(用途):ストック販売/EC商品画像/受託制作(クライアントワーク)/SNS配布など。
- Rights(権利):商用可否、帰属(誰に権利が帰属するか)、クレジット義務、再配布可否、二次販売可否。
- Output(出力条件):解像度・サイズ上限、生成物の保存やレビュー(プロバイダ側による)、R-18やセンシティブ表現の扱い。
2) 必ず確認したい規約の7ポイント
- 商用利用可否:無料/有料プランで扱いが変わることがある。Commercial use の表現を確認。
- 帰属とライセンス:生成物の権利帰属(あなた/ツール提供者/共同)、再配布・転売の可否。
- クレジット義務:クレジット表記を求めるか、任意か。
- 禁止用途:差別・政治・医療・誤情報・ハイリスク用途、素材の再配布など。
- トレーニング同意:生成物やアップロード素材を学習に再利用するかどうかの設定有無。
- 監査・審査:プラットフォーム側が出力物をレビュー/削除できる権限。
- 補償・免責:侵害クレーム時の対応。企業利用では補償(indemnity)の有無が重要。
3) ローカル型vs.クラウド型:どちらが安全?
- ローカル型(例:Stable Diffusionローカル):プロンプト・素材・出力が社内完結しやすい。データの外部持ち出しや学習再利用の心配が少ない一方、素材ライセンスの自己責任が増す。
- クラウド型(例:ブラウザ生成ツール):導入容易で高品質。商用可否/学習同意/保存場所などの規約を都度確認。企業利用は契約プランやログ保全のオプションを検討。
4) 条文の「読み方」テンプレ
- 対象定義(Definitions)で「Content」「User Content」「Output」の範囲を特定。
- License to You と License from You を分けて読む(あなたに与えられる権利/あなたが与える権利)。
- Restrictions(禁止事項)、Attribution(クレジット)、Indemnity(補償)、Termination(契約終了時の扱い)をチェック。
5) シナリオ別のツール選びTips
- ストックサイトで販売:AI作品の表示義務に合う出力(Exifやメタ情報含む)/人物・商標要素は編集で排除。
- EC商品画像:No resell の素材を使わない。ロゴ・商標に触れる箇所は置換。バリエーション量産は作風の均一化に注意。
- クライアントワーク:indemnity の有無や、素材・フォントの再配布条項を契約書で明確化。
6) 販売ページのライセンス表記テンプレ(コピペOK)
【生成環境】AI-assisted(人が企画・設計・編集)
【使用ツール】例:ローカルSDXL/クラウド系ツール(商用ライセンス範囲内)
【クレジット】不要(規約確認済)/必要(※表記済)
【配布範囲】個人・商用OK/再配布・二次販売NG
【注意事項】ロゴ等の追加・合成は不可/人物・著名人の想起表現は避ける
ツールの規約に適合させるには、プロンプト設計の精度が鍵です。狙い通りの出力を安定させる方法は、こちらの入門ガイドが参考になります:
第7章|収益化ルート:ストック/EC/コミッションの実装例
AI画像の収益化は大きく①ストック販売、②自前EC、③コミッション(受託制作)に分けられます。いずれも「適法性」「規約順守」「制作ログの可視化」を前提に、“見つかる→欲しくなる→買いやすい”の3条件を満たす実装が鍵です。
1) ストック販売:発見される“棚”に最適化
- タグ&タイトル設計:ジャンル+被写体+状況+スタイル(例:isometric cyberpunk city at dusk, neon rain, film grain)。地域言語タグも併記。
- シリーズ化:色調・画角・被写界深度を統一したセットを5〜12枚で構成。サムネは俯瞰・寄りを混ぜてクリック率を最大化。
- 審査を通すコツ:被写体の固有意匠・ロゴ・文字を消す/人物は合成感を減らす/Exif相当のメタ情報を整える。
- ライセンス設計:標準(商用可/再配布不可)と拡張(大規模配布OK/再販不可)を2段階で用意。
価格の目安
ベース単価は競合中央値×品質係数(0.8〜1.2)。シリーズ割(3点=−10%、5点=−18%)を導入し、平均注文額(AOV)を底上げ。
2) 自前EC:体験と同梱物で“買いやすさ”を作る
- 商品構成:PNG(透過)+JPG(SNS向け)+PSD/Procreate/レイヤー付(上位プラン)+使用例Mockup。
- 商品説明テンプレ:狙い/使用モデル/編集有無/推奨用途/禁止事項(再配布・商標利用NG)。
- 同梱テキスト:使用許諾(日本語+英語)/クイックスタート/クレジット表記例。
- 導線:カテゴリLP→シリーズ詳細→関連商品(色違い・画角違い)で回遊率を上げる。
商品説明テンプレ(コピペOK)
【内容】JPG 4K×3点/PNG透過×3点/PSD(調整レイヤー付)
【制作】AI-assisted(プロンプト設計+合成+色調整)
【用途】個人・商用OK(印刷3,000部まで)/Web・SNS・同人誌可
【禁止】再配布・二次販売・ロゴや著名人の合成
【備考】制作ログあり/バリエーション作成も相談可
3) コミッション(受託):範囲と権利の線引きを契約で明確に
- スコープ定義:枚数・改稿回数(例:2回)・納期・解像度・編集可否(背景差し替え等)。
- 料金体系:基本料金+差分(衣装・表情)+納期短縮料+独占使用料(買い切りの場合)。
- 権利処理:著作権は原則保持、クライアントへ利用許諾。著作権譲渡は加算・用途限定で。
- 表示:クレジット要否、制作実績の公開可否(ポートフォリオ掲載)を明記。
見積テンプレ(抜粋)
【基本】メインビジュアル 1点 12,000円(4K)/改稿2回含む
【オプション】差分3点 × 2,000円/独占利用 +40%
【納期】発注後5営業日
【権利】著作権は制作者保持、クライアントへ商用利用許諾(再配布不可)
4) ファネル最適化:見つかる→欲しくなる→買いやすい
- 見つかる:検索(タグ/ロングテール)、ピンタレストのリッチピン、Xの固定ツイート。
- 欲しくなる:使用例のモック、ビフォー/アフター、ユースケース別LP(壁紙/表紙/サムネ)。
- 買いやすい:カート直結ボタン/クーポン(新規10%)/バンドル(壁紙10点セット)。
5) KPI管理:毎月の“棚卸し”で勝ち筋を増やす
- 指標セット:PV、CTR、CVR、AOV、リピート率、返金率。
- 改善ループ:CVRが低い→サムネ差し替え/説明の先頭3行をBenefit化/FAQ追加。
- ヒットの再現:上位20%の共通タグ・色調・構図を抽出→シリーズ追加。
6) よくある失注パターンと対策
- “用途が思いつかない”:使用例モックを3種以上(SNSヘッダー/書影/壁紙)。
- “買い切りが欲しい”:独占利用プランを提示(価格は基本の+30〜50%)。
- “納期が不安”:制作ログ付きで進捗共有(中間サンプル1回)。
収益化の前提は制作の再現性です。安定したクオリティとバリエーション出しの基礎は、次の入門ガイドで体系的に押さえましょう:
第8章|法務テンプレ:商品ページ表記・免責・制作記録の残し方
AI画像を「安全に」販売するカギは、①商品ページの法務表記、②免責と禁止事項、③制作ログの保存です。ここでは、コピペして使えるテンプレをまとめ、審査・異議申立てにも即応できる運用を提示します。
1) 商品ページの法務表記テンプレ(コピペOK)
【作品の性質】AI-assisted(人が企画・プロンプト設計・編集)
【使用モデル】例:Stable Diffusion XL 1.0(ローカル)/Adobe Firefly vX
【編集】合成/レタッチ/色彩設計 等の人手編集あり(制作ログ保管)
【ライセンス】個人・商用利用OK/再配布・二次販売NG(※再販不可)
【禁止事項】ロゴ・商標の追加、著名人・実在人物の想起利用、公序良俗に反する用途
【注意書き】本商品はAI生成を含みます。実在人物・団体とは関係ありません。
2) ライセンス設計のひな形(標準/拡張)
- 標準ライセンス:Web・SNS・同人誌・小規模印刷(例:3,000部まで)可/再配布・二次販売・素材化は不可。
- 拡張ライセンス:大部数印刷・大規模配布・クライアント案件での納品可。ただし再配布・二次販売は不可。独占利用は別途見積。
販売ページには「許可される用途/禁止される用途」を箇条書きで対称に並べると誤解が減ります。
3) 免責・禁止事項テンプレ
【免責】本商品はAI生成要素を含みます。第三者の権利を侵害しないよう配慮しておりますが、
ご利用の最終責任は利用者に帰属します。販売先の規約や各種法令の遵守をご確認ください。
【禁止事項】(1) 再配布・二次販売・テンプレ素材化 (2) ロゴ・商標・著名人の合成
(3) 誹謗中傷・差別・違法・公序良俗に反する用途 (4) 政治・医療等の高リスク用途
4) 制作ログの残し方(チェーン・オブ・カストディ)
- 最低保管項目:モデル名/バージョン、生成日時、プロンプト・ネガティブ、seed、steps、サンプル数、採用理由、編集工程(レイヤー名も)。
- ファイル命名規則:
YYYYMMDD_project_model_seed_v01.psdのように一意化。 - 証跡化:候補画像(A〜D)を縮小サムネで1枚にまとめ、採用カットを枠表示。
- 保存先:ローカル+クラウドの二重化。アクセス権は最小限。編集履歴(psd/afphoto等)は90日以上保管。
5) 類似性・権利疑義への対応テンプレ(コピペOK)
件名:AI作品に関する権利疑義への回答/制作記録の提出
本文:
この度はご指摘ありがとうございます。制作記録(プロンプト・seed・編集工程・候補比較)を添付し、
第三者著作物の本質的特徴を含まないことを説明いたします。必要に応じて該当要素の再生成・編集も実施します。
販売ページでは「AI-assisted」「使用モデル」「禁止用途」等を明示済みです。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
6) EC運用での表示(特商法まわりの基本)
- 特定商取引法に基づく表記:事業者名/所在地/連絡先/販売価格/支払時期・方法/引渡時期/返品・キャンセル。
- 返品ポリシー:デジタル商品は原則返金不可。ただし重複購入・破損データは交換/返金の条件を明記。
- プライバシー:問い合わせフォームの個人情報の取扱い(利用目的・保管期間・第三者提供)を簡潔に。
7) 表示の配置例(UIヒント)
- 商品説明の冒頭3行に「AI-assisted/禁止用途の要点」を集約。詳細はアコーディオン展開。
- 「標準/拡張ライセンス」はタブ切替で比較表を表示。
- Q&A(FAQ)で「再配布不可」「商標NG」「人物NG」を太字で再掲。
法務表記は読みやすさも重要です。構成や言い回しを整えるには、当サイトの
【2025年最新】AIを活用したSEOリライト完全ガイド を使って、自然で伝わる文章に仕上げましょう。
第9章|倫理・透明性・今後の制度変更への備え
法的に「販売OK」でも、倫理と透明性が欠ければ炎上・通報・低評価につながります。2025年は各国でAI規制や指針の整備が加速中。“ルールが変わっても運用が続く”仕組みを先に作っておくのが、安全・信頼・売上の三方良しです。
1) 透明性の基本:買い手が知りたい3点
- 制作プロセスの開示:AI-assisted(人が企画・設計・編集)/使用モデル名/編集の有無。
- 利用条件の明確化:許可用途と禁止用途を対称に列挙(再配布・二次販売・ロゴ合成NG 等)。
- 責任の所在:第三者権利への配慮・異議申立て窓口(48h以内回答目安)・修正対応ポリシー。
2) 倫理ガイド(ミニポリシー)を公開する
商品ページやショップ規約に、倫理スタンスを短く明記します。迷ったら次の雛形を。
【AI倫理ポリシー(抜粋)】
・AI生成は人の創作的判断(設計・選択・編集)を伴うものとして運用します。
・人物権・商標・著作権への配慮を徹底し、本質的特徴の重複は回避します。
・生成・編集ログを保管し、問い合わせに誠実に応じます(原則48時間以内)。
・AI生成であることを明示し、禁止用途(再配布・二次販売 等)を掲示します。
3) 表示・開示を“仕組み化”する(運用テンプレ)
- 商品テンプレ:冒頭3行に「AI-assisted/モデル名/禁止用途の要点」を固定文で表示。
- FAQ更新:「AI作品の扱い」「クレジット要否」「独占利用」「返金条件」などをQ&A化。
- 制作ログ台帳:モデルver/seed/steps/候補A〜D/採用理由/編集工程。比較画像を1枚にまとめて保存。
- トレーサビリティ:ファイル命名規則とバージョン管理(
YYYYMMDD_project_model_seed_v02.psd)。
4) バイアス・センシティブ表現への配慮
- 否定語プロンプトの定義:差別・ステレオタイプ・不適切描写を抑制するネガティブリストを標準化。
- プレビュー審査:人物/制服/宗教的シンボル/医療・政治に該当しないかの目視チェックをルーチン化。
- ユースケース記述:“使って良い場面/良くない場面”を商品説明に併記し、誤用を予防。
5) 将来の制度変更にどう備える?(日本/EUの例)
- 監視リストを作る:日本の行政資料(経産省ガイド/契約チェックリスト等)、EUのAI法実装ロードマップを月次で確認。
- 運用を設定化:規約・法令が変わっても商品テンプレとFAQを差し替えるだけで追随できる設計に。
- 証跡の強化:将来の透明性/説明責任要求に備え、制作ログと意思決定の記録を標準保管(90日以上)。
6) 透明性はSEOにも効く(回遊・信頼・CVR向上)
買い手の不安を解消するQ&Aや免責の整備は、検索流入の獲得にもプラスです。FAQ・ポリシー・テンプレの整備は、回遊率・CVR・ブランド信頼を底上げします。実装の基本は次の入門で手早く押さえましょう:
7) ショップ運用の“監査メモ”(毎月5分)
- 販売先ポリシーの更新日を記録(スクショ保存)。
- 直近のクレーム/質問の傾向を集約し、FAQを更新。
- トップ10商品で「AI表示・禁止用途・モデル名」の抜け漏れを点検。
- ヒット商品の共通タグを抽出→シリーズ拡張の企画に反映。
- EU/日本の最新ガイドの要点を1行メモし、商品テンプレに反映。
最終章|結論:攻めと守りのバランスで“合法に勝つ”
ここまで見てきた結論はシンプルです。AI画像の販売は「人の創作的関与」×「規約順守」×「透明性」の三本柱を満たせば、攻めつつ安全に伸ばせます。逆にどれか1つでも欠けると、停止・炎上・機会損失の温床になります。
1) 法の“線”を踏まえた制作
- 著作物性:プロンプト設計・選別・編集で人の判断を可視化。
- 依拠性/類似性:本質的特徴の重複を避ける。比較キャプチャを必ず保存。
- 人物・商標:想起性が高い表現やロゴ再現は排除。リスクは先に切る。
2) 規約と販売先ルールで“守り”を固める
- 生成ツール規約:商用可否・クレジット・学習再利用・禁止用途を確認→スクショ保存。
- 販売先ポリシー:AI表示義務・センシティブ表現・審査基準。月次でアップデート確認。
- ページ表記:「AI-assisted/使用モデル/禁止用途」を冒頭3行で明示。
3) “買いやすさ”を作る運用(ミニToDo)
- 制作ログ台帳:モデルver/seed/steps/編集工程/採用理由。
- シリーズ化:色調・画角を統一、5〜12枚で棚を作る。
- FAQ常設:クレジット要否・独占利用・返金条件・二次配布NGを定型化。
4) 30秒で振り返る販売前チェック(最終チェックリスト)
- プロンプト〜編集まで人の判断が作品に反映されている
- 既存作品の本質的特徴に触れていない(比較キャプチャ保存済み)
- 人物・商標・ブランド要素は削除/置換済み
- ツール規約と販売先ポリシーを最新日付で確認・スクショ保存
- 商品ページ冒頭3行にAI表示・モデル名・禁止用途を明記
- ライセンス(標準/拡張)と禁止事項を箇条書きで提示
- 制作ログと異議申立てテンプレを即提出できる状態に
5) 次の一手:収益動線を増やす
“安全運用”が整ったら、あとは動線を増やすだけ。ストック、EC、コミッションの各ルートに応じて、タグ設計・LP・モックアップでCVRを底上げしましょう。収益化の全体像は、当サイトの入門ガイドを参照してください:
6) まとめ:攻めと守りは二律背反ではない
AI時代のクリエイターが勝つのは、法と規約を“最短の味方”に変えた人です。
制作の工夫=“攻め”、ログと表示=“守り”。この二つが噛み合えば、堂々と拡張再現できます。
今日から、制作ログの標準化と商品テンプレの固定化だけでも始めましょう。積み上げが、あなたのブランドを守り、売上を押し上げます。

